退職時の有給消化の申出は拒否できない!?

人事担当者から「退職予定の従業員が、業務引継ぎもせず、退職予定日と有給消化をする旨だけ伝えてきて困っている」というような相談が昨今よく寄せられます。
このような従業員からの申出を拒否することはできないのでしょうか。

そもそも、有給休暇(年次有給休暇)は、労働基準法によって認められた労働者の正当な権利です。
また、働き方改革関連法の施行(2019年4月)により、年次有給休暇を1年で5日間取得させることが義務化されるなど、労働者に対してもその権利が周知されることになり、有給休暇は当然に取得できるものとの意識が高まっています。

この点、退職時ではない場合には、会社側から、「事業の正常な運営を妨げる場合」として年次有給休暇の取得日を変更するよう「時季変更権」を行使することも可能です。

年次有給休暇の基本的なルールや時季変更権についてはこちら

しかし、退職時においては、退職日までの有給残日数の消化を労働者側から申し出られた場合、会社側はそれを拒否することはできず、原則として時季変更権を行使することもできません。

したがって、会社側は、労働者側から最大35日【前年度有給未消化分15日間(5日間の有給取得義務は当然消化済みとして)と本年度分20日間】の有給消化がなされる可能性があることを見越して、業務引継ぎの方法やマニュアルを整備しておくなどの対応が求められることになります。

また、会社側にて、どうしても引継ぎが終わらないという場合は、退職日の後ろ倒しや、未消化分の有給休暇の買取りを行うことも可能ですが、どちらも退職予定者に対して強制することはできませんので、その点も注意が必要となります。

年次有給休暇の買取りについてはこちら

退職時の有給消化を認めないという誤った情報を伝えてしまうことで、かえって退職予定者が意固地になり、引継ぎを行わないという事態もよく見られるところでありますので、会社としての適切な対応、体制作りが重要となります。

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